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理事長所信
【はじめに】
一般社団法人玉野青年会議所は周年を終え、次への新たな一歩を踏み出します。時代の変化に挑みながら現役会員同士が手を取り合って活動してまいります。現役会員は力を合わせ明るい豊かな社会を築くべく積極的に活動しますが、そこには日頃より温かく優しくお力添えをくださる多くの先輩諸兄の愛溢れる支えがあるからこそ、現役会員は全力で大きな一歩を踏み出せると感じております。66 年目の絆のバトンを、大切にお預かりいたします。
本年度は「心動(こどう)」をスローガンに掲げ、組織の成長、そして青年会議所の軸であるひとづくりを中心に活動してまいります。65 年の伝統により培われた継続事業は多くのメンバーの成長を促してきました。継続事業には始まった当時の「想い」が強く存在しています。その想いが周囲のひとに伝播し、「心」を動かしたからこそ、今もなお継続事業としてまちに大きな影響を与えています。たくさんのひとの心を動かす事業構築をするため、「想い」を大切にすることはもちろんですが、今後も続いていくよう手法を見直しながら活動していきます。能動的に取り組むことでひともまちも動き、輝く未来につなげていきます。我々は心を集め、手を取り合って未来をかけて活動していく団体であり、私自身そこが一番の魅力であると感じています。
【持続可能な組織運営】
青年会議所の組織は単年度制であり、その中に多くの成長と発展の機会があります。大人の学び場である青年会議所だからこそ、様々な職場環境や家庭環境の会員がいる中で、この機会は平等でなければいけません。近年のコロナ禍によりオンライン会議が急速に普及し、玉野青年会議所においても多くの会議や例会がオンライン化しました。多様化した会員の環境に配慮し、オンラインツールは引き続き活用してまいりますが、現地開催によって培われる会の設営や会議体での振る舞いを学ぶ機会、その後のオフの時間を共有することによる円滑な人間関係の構築も重要だと考えています。様々な環境下の会員全員が全力で活動や運動に取り組めるよう環境を整えることで、誰もが輝ける組織運営を行ってまいります。
また、本年は韓国統營青年会議所と姉妹縁組を結んで 50 周年という記念すべき年となります。締結の何年も前から、統營市(当時の忠武市)から宇野港まで毎日はるばる玄界灘を越え行き来していた活魚船が、魚を運ぶだけではなく日本と韓国の青年の友情のきっかけをも運ぶことになりました。当時は韓国の渡航制度が厳しい中でしたが、地域の国際化の必要性を認識し、それを行動に移した勇気と情熱により姉妹縁組調印式典は無事に行われ、両 JAYCEE 会員相互の交流や事業などの活発な活動は市民レベルの交流の転機となり、両青年会議所が姉妹締結をした後に玉野市と統營市が姉妹都市縁組へと発展しました。両青年会議所が協力し合いながら展開してきた国際交流事業も近年では新型感染症の影響で難しくなっています。しかし、これまで脈々と積み重ねてこられました先輩諸兄の想いを大切にしながら今後の方向性も含め、互いの未来にとって有意義な関係を継続していきたいと思います。
【ひとづくり】
青年会議所の一番の魅力が「ひとづくり」です。「心」をもって活動していく中で、地域の未来を創る青年経済人や地域のリーダーとなる「ひと」を育成していく組織が青年会議所です。私にとっての理想のリーダー像とは、誰かを深く想い、芯のある明るい理想を持ち、「ポジティブチェンジ」に発想の転換ができる人です。そこから能動的に動き、まわりを巻き込むリーダーシップをもって活動していくことができるひとこそ、地域に必要とされる人財となると考えます。
現在の玉野青年会議所の会員の多くは入会 3 年未満です。在籍年数の低下により様々な場面での経験不足が懸念されます。一つの事業を深く学んでいき、経験を積み重ねていくことが必要です。青年会議所には多くの研修プログラムがあり、LOM の例会事業も事業構築していくプロセスから受講する側まで、様々な角度からの学びがあります。また、本年は 3JC 合同例会の主管となります。設営経験の少ない会員が多く大変だと思いますが、この機会を修練と捉え皆で協力し、取り組んでまいります。そして友好 JC である西大寺青年会議所と備前青年会議所との絆をより深くしていき、今後も助け合い協力しあえる関係性を続けていきたいと思います。今できる精一杯で前向きに「心」を込めて設営いたします。
組織の重要課題である拡大運動においては、組織の継続に不可欠なものであり、会員一人ひとりが拡大委員であるという認識のもと LOM 全体で取り組むことが必要です。会員の誰もが青年会議所の本質的な魅力や可能性を改めて考える機会を持ち、そして外部に伝えられるように会員同士で協力しながら拡大運動を展開していきます。
【まちづくり】
私たち人間は、ひととの関わり合いの中で生かし、生かされています。その中で青年会議所会員一人ひとりが地域社会の一員であることを自覚し行動することが大切です。私たちの求める社会の開発とは、将来へ向かっての新しい可能性をつくり出していく運動です。人口減少や災害に強いまちづくりなど、現状の問題解決の糸口を考え、その一歩を踏み出します。
また現在も続く玉野まつりや地域に対する継続事業も、今の環境に沿った手法に変えるなど工夫をしながら未来へとつないでいきます。明るく希望溢れる未来をつくり守り続けたいのは、私たち青年会議所も地域の皆様も共通の想いであり、地域の皆様や各諸団体と協力し率先して行動に移すことで、誰もが輝ける持続可能なまちを築いていけると考えます。会員の為、地域の為に覚悟を持ち全力で挑戦していきます。そして、各種団体の会議やイベントにおいて地域の人々と連携し、玉野青年会議所は地域に活力を与える団体であり続けるよう取り組んでまいります。
【結び】
JC と出会い、「ポジティブチェンジ」を知り、私の生き方は大きく変わりました。私にとって JC は人生の道しるべです。青年会議所の理念と目的を軸に活動していく中で「個人の修練・社会への奉仕・世界との友情」があります。青年会議所の活動を通じて友情を深めつつ、強く影響し合い、刺激し合って未来への無限の可能性を自分たちの手でつくりあげていきます。
皆様におかれましては、引き続きお力添えいただけましたら幸いに存じます。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

一般社団法人玉野青年会議所
第66代理事長
水本 阿美
